『守ろう!わたしの子宮』
9月はレディース検診月間〈乳がん検診+子宮がん検診〉
子宮頸がんの原因はHPV感染
子宮は女性だけが持つ臓器。胎児(お腹の赤ちゃん)に酸素や栄養を与えて成長させ、出産の日まで守ってくれます。その子宮ががんになってしまう! 実は若い年代に最近増えているんです。
子宮がんには2種類ありますが、多くは子宮の出口付近にできる『子宮頸(けい)がん』で、ヒトパピローマウイルス(以下HPV)に感染することが原因です。
HPVは性交渉によって感染するので、性交渉経験がある人の50〜80%は、一生のうちで一度は感染します。ウイルスが自然に体から消える場合もありますが、繰りかえし感染すればいつかはがんになる可能性があるのです。
子宮頸がんになっても自分では気づきにくく、月経以外の出血や下腹部の痛みがあって受診をすると、すでにがんが進んでしまっていることもあります。

毎年日本では約11000人が子宮頸がんになり、約3000人が死亡しています。特に20〜30代のがんではダントツ1位で増えつつあり、ちょうど妊娠・出産の年齢とかぶって深刻な状況になるケースもあります。初期に発見され、子宮の出口の一部を取り除く手術をすれば、将来赤ちゃんを産むことはできます。
ウイルス感染前の予防接種が鍵
HPVの予防ワクチンは世界の90カ国以上が定期的な接種をしていて、WHO(世界保健機関)でも勧めています。オーストラリアでは数十年前から予防に取り組んできたため、2020年の時点で子宮頸がんは珍しいがんとなりました。2034年には死亡する人はほぼいなくなるということです。
日本では2013年に定期接種が始まったものの、「接種後に強い副反応がある」と報道され、約9年間国は接種を積極的には勧めない立場で、調査・研究をしてきました。その結果「HPVワクチンは特別に副反応が多いわけではない」ことが確認されました。
2022年度からワクチン接種が再度勧められ、徐々に希望者が増加しています。無料接種の対象者が小6〜高1なのは、性交渉でウイルス感染する前が最も適しているためです。
ご家族で話し合ってみましょう
また、積極的に勧めてこられなかった年代の方(1997年4月2日〜2007年4月1日生まれ)には『キャッチアップ接種』もおこなっています。シール接種券が名古屋市から送付されてくるので確認してください。
この無料期間を過ぎると自費の接種となり、3回で10万円くらい必要となりますので、是非ご家族でよく検討することをお勧めします。
今年4月から『シルガード9』という、これまでよりも防御力の強いワクチンも、無料接種できるようになりました。接種回数は3回ですが、『シルガード9』を15歳未満に開始すると2回で済みます。
HPVワクチン接種と20歳を過ぎたら2年に1回子宮がん検診を受けることで、あなたの子宮を守ってください。
ご相談・ご予約は、
協立総合病院/小児科・産婦人科 (電話)052-654-2211(代表)で受け付けています。
「レディース検診」は協立総合病院へ、お気軽にご相談ください
マンモグラフィは女性技師が対応します
乳がん検診〈マンモグラフィ/乳腺エコー〉
( )は生協未加入
名古屋市検診
【対象】
●40歳以上(2年に1回)
●マンモグラフィ
40代:2方向 500円
50代以上:1方向 500円
組合員検診
【対象】
●名古屋市の乳がん検診が受けられない年代の方
●毎年受けたい方
●名古屋市外にお住まいの方
●マンモグラフィ2方向 4,000円(5,800円)
1方向 3,000円(4,800円)
●乳腺エコー3,100円(4,600円)
子宮がん検診〈頸部細胞診〉
( )は生協未加入
名古屋市検診
●20歳以上(2年に1回):500円
組合員検診
●毎年受けたい方や市外にお住まいの方など:5,800円(6,800円)